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若い人のための洋楽ロック&ポップス名盤案内

やがて聴かれなくなるかもしれない'60~'80の海外ロックやポップスの傑作(個人的な意見)を紹介します。

Vol.19 Revolver The Beatles 1966

60年代 イギリス

革新的なスタジオワークから生まれた、

創造性あふれる意欲作。

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リヴォルバー/ビートルズ

 レコーディングバンドに生まれ変わったビートルズの新たな一歩は、進化したソングライティングと革新的なスタジオワークが融合、彼らのアルバムの中でも、ひときわクリエイティビティを感じさせる作品となった。

 

 デビューして3年、同じようなツアーの繰り返し、慌ただしいレコーディングに追われていたビートルズは、アーティストとしての成長を自覚しながらも、それを発揮する機会が与えられず大きな不満を抱えていた。

 

 ‘65年12月に『ラバー・ソウル』をリリースし、イギリスツアーを終えると、はじめて3カ月という長い休暇をとる。そして翌年4月、溜まっていた不満を発散するかのようにレコーディングを開始。わずか2か月で16曲を仕上げた。そのうち14曲が『リヴォルバー』に収められた。

 

 彼らの新しいサウンドは、当時の技術では、ライブでの再現が不可能なものばかり。それはレコーディングバンド、ビートルズとしてのスタートを意味した。

 

『リヴォルバー』は随所にギミックが仕掛けられたサウンドに仕上がった。ギターやヴォーカルの逆回転、テープ処理によるループや速度の変更などにより、それまで聴いたことがない音が生まれたのだ。

 

 ビートルズの遊び心ある実験を支えたのは、ジェフ・エメリック(当時まだ20歳!)、ケン・タウンゼントという若きエンジニアたち。彼らはビートルズの無茶?な要求に斬新なアイデアとテクノロジーで応えた。こうしたトライは次作『サージェントペパーズ~』で大いに発揮される。

 

 むろん、ビートルズのソングライティングも演奏も冴えわたっていた。当時、ドラッグカルチャーに影響を受けたジョンは、先鋭的な曲づくりに挑み、ポールはメロディメーカーとしてますます磨きのかかった曲を生み出し、ジョージの曲がはじめて3曲も採用された。

 

 また、はじめてゲストミュージシャン(ストリングスやホーン)を起用したことで、アレンジが多彩になり、さまざまスタイルの曲が揃った。実験的ともいえるギミックを多用しているにもかかわらず、ポップな感じに仕上げてくるところは、さすがだ。(後にこの路線は10ccが受け継ぐ)

 

 ビートルズ流ファンクの「タックスマン」から、いきなり歌とストリングスで始まる「エリナ・リグビー」。この冒頭の流れを聴いただけでも、『リヴォルバー』がこれまでとは違うことを予感させる。最後のループを駆使したサイケな「トゥモロー・ネバー・ノウズ」まで、次々と創造性に富んだ、新しいビートルズサウンドが繰り広げられ、予感が確信に変わる。

 

 先行シングルの「ペイパーバックライター」、「レイン」が収録されていたら、もっと評価が上がっただろう。全米、全英ともに1位。21世紀の今からフラットに見つめても、『リヴォルバー』は、次作『サージェントペパーズ~』ほど時代を感じさせないし、言われるほどサイケでもない。その分、経年を感じさせず、飽きない。時が経つほどそう思える名盤だ。

 

♪好きな曲

 

Tomorrow Never Knows

逆回転、テープループ、コラージュが駆使されまくっているのにポップな聴き心地、このカッコよさといったら!

 

 

Tomorrow Never Knows

Tomorrow Never Knows

 

And Your Bird Can Sing

 

なぜか胸がキュンとなるイントロのギター。初期ビートルズらしいナンバー。

 

 

And Your Bird Can Sing

And Your Bird Can Sing

 

Here,There And Everywhere

ポールらしい美しいメロディとコーラスが印象的。ビーチ・ボーイズの「God Only Knows」に触発されて作ったらしい。

 

Here, There and Everywhere

Here, There and Everywhere